青色申告承認申請手続は、特別控除を受けるための必須書類

フリーランスとして、もしくは副業で事業をはじめるために、開業届を出す際に絶対おすすめしたい「所得税の青色申告承認申請手続」についてご紹介します。そもそも、確定申告の白色と青色ってなに?など、基本的な内容をわかりやすくまとめます。

節税の道筋をつくってくれるのが「青色申告特別控除」

フリーランスでの事業や、副業をはじめる場合、多くの方が少しでも収入を増やしたいと思っていますよね。そのときに壁になるのが所得税。所得税は、年間の所得が多いほどその税率が高くなり、じつは高所得者の半分は所得税で持って行かれてしまう、なんてことを聞いた方も少なくないはず。

「まだフリーランスとしての生計が見えていない」とか、「週1日も副業の時間が取れなさそう」など、甘く見ていると損をしてしまうこともあるので、もし収入UPを目指しているなら「青色申告者に対しては種々の特典があります」と国税庁も言っている、青色申告承認手続きを検討してください。

青色申告は、1年間の所得金額を正しく計算し、収入や必要経費などの取引状況をきちんと記帳し、その取引に発生した請求書や領収書などを定められた期間保管する代わりに、所得金額の控除などでメリットを得られるものです。

青色申告者になった場合に、所得金額から最高65万円または10万円を控除するのが青色申告特別控除です。青色申告特別控除の段階は10万円・55万円・65万円の3つ。それぞれ、申請内容の条件が変わってきて控除額が高いほど、申請方法は難しくなります。

10万円の青色申告特別控除を受けるための条件

  • 青色申告者である

青色申告承認申請書が受理されれば、10万円の青色申告特別控除を受けられるんです。複式簿記がわからず、確定申告が難しくなるのはいや、という方も怖がることなかれ。国税庁のホームページには「現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよい」と記載があるので、事業をやっている場合、白色申告となんら変わりはないのです。

55万円の青色申告特別控除を受けるための条件

  • 不動産所得か事業所得が発生する事業を行っている
  • 事業収入の取引履歴を複式簿記で記帳する
  • 確定申告で、複式簿記の記帳内容に基づく、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付し、青色控除の該当する金額を記載する
  • 確定申告を期限内にする(翌年3月15日まで)

基本的には、その年の期限内に確定申告をすること。そして、申告の際には複式簿記での記帳と、貸借対照表・損益計算書の添付などが必要になります。ほかにも細かな条件があるので(所得が55万円以下の場合、その所得額が控除額になるなど)、国税庁のホームページでご確認ください。

65万円の青色申告特別控除を受けるための条件

  • 55万円の青色申告特別控除の条件を満たす
  • その年の事業の仕分帳や総勘定元帳を電子帳簿保存を行うか、確定申告を期限内にe-Taxで行う

青色申告特別控除のなかで最大である65万円の控除を受けるには、55万円の条件のプラスして電子保存か、電子申請できればOKなんです。なので、これから事業をはじめますよという方は、ぜひ電子保存ができる帳簿作成を選ぶことをおすすめします。ほか、細かな説明に関してはこちらも国税庁のホームページに記載があるので読んでみてください。

確定申告の白色申告と青色申告って何が違うの?

そもそも確定申告とは、その年の所得金額が所得控除の合計額を超える場合にしなければいけないものです。個人事業主などのフリーランスの場合、所得金額はざっくり言うと「収入から必要経費を引いた金額」のことです。所得控除はいろんな種類がありますが、たとえば基礎控除や医療費控除などです。

年間の所得が2,400万円以下の基礎控除は48万円なので、48万円以上の所得がある場合は確定申告が必要になる可能性が高くなります。いろいろな計算が必要になるので、確定申告が必要か不安な場合は税理士さんへ相談してみてください。

事業者として、きちんと帳簿をつけ、確定申告をすることができれば得られる恩恵が多い、青色申告。その権利を獲得するために、まずは青色申告承認申請書を提出しましょう。提出の仕方はこちらの記事で紹介しています。